いざ、出陣!2回目の手術と術前説明

2018年3月19日

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今回緊急入院ののち、カテーテル検査、手術とトントンとことが進んでおります。

それほど我が子は切羽詰まった状態だった。本人は機嫌悪くなることもなくよく笑っていた。
だから我々もそのギリギリの状態に気づけなかった。

我が子は本当に強い子です!きっと今の状態も乗り越えてくれると思います!

CAUTION

●我が子の今までの経過を見たい方はこちらへどうぞ

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この間行われた手術について術前、術後説明をまとめていきます。

今回はちょっと長くなります。全部読んでもらえたらうれしいのですが目次から読みたい項目だけ読んでいただいてもかまいません。

術前説明

術前診断

  • 無脾症候群
  • 肺動脈閉鎖 ★
  • 主要体肺動脈側副血行路(MAPCA)★
  • 房室中隔欠損症+共通房室弁
  • 大動脈右室起始
  • MAPCA絞扼術後
  • チアノーゼ

★…今回の手術を行う疾患

心臓カテーテル検査所見

  • 主肺動脈は両下肺へ分布している
  • MAPCAは全部で6~7本ある
  • 右上肺に行く2本、左の2本は肺高血圧状態
  • MAPCA絞扼術のおかげで他のMAPCAの肺高血圧は改善

心エコー所見

  • 左右の心室の大きさはそれなりにある(二心室治療の可能性はまだある)
  • 共通房室弁の閉鎖不全は軽度
  • 心室機能は保たれている

外科的治療方針

主肺動脈とMAPCAを吻合して肺血管床を構築

肺血流源の確保(BTシャント変法または右室肺動脈シャント)

単心室治療となるか二心室治療となるかは現段階では判断できない。

  • 左心室と右心室を手術で分けれるか
  • 分けた際、左心室や右心室の大きさが確保できるか
  • 左室流出路狭窄を起こさないか

これらを評価したのち治療方針を決める。

今回の手術の流れ

術式:肺動脈統合術

  1. 全身麻酔
  2. 胸骨正中切開(胸部の真ん中を切開)
  3. 主肺動脈、MAPCAの剥離
    (SpO2が下がれば先に人工心肺装着)
  4. 人工心肺装着
  5. 主肺動脈をパッチを用いて拡大
  6. 肺血流源の確保(BTシャント変法 or 右室肺動脈シャント)
    右室肺動脈シャントの場合、心停止させる必要がある
  7. 心停止させた場合、心拍動再開
  8. 人工心肺離脱
  9. 肺血流と体血流のバランスの評価、調整
  10. 止血して閉胸

術後の管理

【ICUでの管理】

  • 心不全管理、呼吸管理
  • 血圧、脈拍、尿量の確保
  • 出血の有無の確認

【状態が安定したら一般病棟にて管理】

  • 術後検査、創部消毒、点滴
  • ミルク量、経口摂取

【経過良好なら退院】

  • 定期的な外来通院、内服薬の継続
  • 数か月後、心臓カテーテル検査、CT、心エコーなどで評価

その後の治療

【単心室治療】

  • 両方向性グレン手術
  • フォンタン手術

【二心室治療】

  • 房室中隔欠損修復
  • 左室-大動脈通路形成
  • 共通房室弁の分割、形成
  • 右室流出路形成

術後急性期合併症

*術後すぐに起こりえる可能性のある合併症

  • 全身麻酔に伴うもの
  • 脳合併症(脳梗塞、脳出血)
  • 神経麻痺
  • 心筋梗塞、心不全、房室弁閉鎖不全、不整脈
  • 肺動脈狭窄、肺体血流バランス不均衡
  • 呼吸不全
  • 腎不全
  • 感染症
  • 胸水、心嚢水貯留、乳び胸
  • 腸管壊死、壊死性腸炎

【死亡率:3-5%】
*通常の手術より高いとのこと。。。それほど難易度の高い手術である

遠隔期合併症

  • 肺動脈狭窄、肺血管床不全
  • 房室弁閉鎖不全
  • 心機能低下、不整脈
  • チアノーゼ進行
  • 創部治癒不全、創部感染

手術の際、人工心肺を使用するが離脱ができなくなる可能性、血圧などの値によっては閉胸をせず、胸を開けたままICUに戻ってきて後日閉胸をすることも可能性としてある。

人工心肺を離脱できないとはどういうことか

手術中人工心肺という機械を使って、肺と心臓の機能を肩代わりします。
それによって心臓を止めることができるので心臓の内部の手術や血管の手術が可能となる。

手術が終わったら人工心肺から自己心肺へ戻すが、何らかの影響で自己心肺機能が低下してしまい、生きていくうえで十分な機能を果たせないと人工心肺を離脱できない

この場合、PCPSやECUMと呼ばれる人工心肺を小型化して移動できる機械をつけてICUに戻ってくることになる。

術後説明

術式:肺動脈統合術、右BTシャント変法

肺動脈統合術

  • 右2吻合(1本はMAPCAパッチ拡大)
  • 左2吻合
  • 残りの2本は統合せず(1本は気管の裏側を通っていたので統合せず)

右BTシャント変法

  • 5mmゴアテックス人工血管を使用

右室肺動脈シャントを行うには12mmの人工血管を使用しなくてはならないが、肺動脈が5mm程度と細いため吻合が困難。

また、閉胸した際に人工血管が他の血管を圧迫したり人工血管が圧迫される可能性があった。

上記の理由により右BTシャント変法を選択したとのこと。

PA:既存の肺動脈 Ao:大動脈
図:左側術前、図:右側術後

図中F、Eの血管に関しては使用せず
Fの血管に関しては、気管の後ろ側を走行していたため使用できず

人工心肺の離脱は順調に行えました。
FiO2 100%、NO 20ppmでSpO2 80%前後

閉胸もできました。

RBC[赤血球]、FFP[血漿]、PC[血小板]などの輸血を行っています。

今後のこと

  • 肺体血流バランス(評価して必要に応じて調整手術の可能性)
  • 出血の確認(出血が多ければ再開胸して出血源の止血術)
  • 循環管理(HR、BP、CVPなどを確認して必要に応じて薬剤で調整)
  • 呼吸管理(SpO2を確認しながら人工呼吸器、NOを調整)
  • 鎮静、麻酔の継続
  • 意識、脳障害の有無(鎮静、麻酔を切ってからでないと障害の有無を確認できない)

最後に

今回の手術は9時にICUを出棟し10時半ころから手術が始まり、19時半ごろに手術が終わりました。

9時間の大手術!手術室に入室してからだと10時間半!

本当に我が子頑張りました。そして、パパママも頑張りました。
パパは、人工心肺を離脱して閉胸して戻ってきてくれるか心配で心配で仕方がありませんでした。

この2つをクリアできないと術後の回復は厳しい。そして、心機能が不安定ということになる。
これは今後の治療計画にも影響が出てくる。

何も知識がないママも心配は大きいと思うが、ある程度知識のあるパパもいろいろ可能性が頭の中をよぎり心配でした。

でも無事、人工心肺も離脱でき、閉胸もできたという説明を聞きほっとしました。
そして疲れが一気に来ました。

改めて我が子は強い子だと実感しました。

これからまだまだ大変かもしれませんが、我が子ならきっと乗り越えられると信じています。

術後の経過、術前の経過などは以下のリンクページで随時更新しております。
気になる方は見てください。

2018年3月19日

Posted by 見習いパパ